スワヒリ亭こゆう

ナイロビの蜂のスワヒリ亭こゆうのネタバレレビュー・内容・結末

ナイロビの蜂(2005年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画の冒頭からショッキングなシーンが出てきます。
ケニアで外交官として赴任したクエイル(レイフ・ファインズ)。
ある日、妻のテッサ(レイチェル・ワイズ)が何者かに惨殺される。
妻はアーノルドというアフリカの黒人と一緒に仕事で出張していたが、何故か全く違う場所で殺されていた。
2人はホテルも同じ部屋に泊まった記録もあった。


冒頭のエピソードをまず見せてから、過去に遡り描いていくんですね。

ここからネタバレになりますので、まだ未視聴の方はご遠慮下さい。
またあらすじも調べずに観るのをオススメします。










ミスリードという手法は失敗すると何やってんの?ってなりますが成功するとホントに面白いですね。
本作では最高に効果を発揮してるんじゃないでしょうか?
まず妻の浮気を匂わせ、それを疑いながらも妻を信じる夫。の話かと思わせといて、そこから漆黒の闇へと堕ちていく。
人間の闇の闇。

ケニアに赴任した外交官クエイルとテッサはお互いの仕事には干渉しない主義で弁護士であるテッサがケニアで何をしてるのか?あまり分かっていない。恐らく慈善活動をしているものと思ってるんですね。
テッサは妊娠中でもスラムへ行く。その横にはアーノルドというアフリカの黒人男性がいて仕事の面ではアーノルドがテッサのパートナーなんです。だけどクエイルはテッサとアーノルドの仲を不信に思うものの彼の性格上、テッサを止めることも問いただすこともしない。

テッサは出産したものの赤ちゃんは死産してしまう。
そんな時、入院中、ある現地の女性に出会うんです。
もしこの女性が入院中に死ぬようなことがあったら、クエイルの友人の英国人サンディ(ダニー・ヒューストン)にある事を頼むんです…


英国やアフリカ、製薬会社など様々なものが絡み合い見えてくるものが、底知れぬ闇だったら?
妻は何故死んだのか?
それを探る事でクエイル自身の身も危うくなる。
この映画は漆黒の闇だと思います。
こんなノワールの大傑作はなかなか観れませんよね。
だけど薬の副作用の様に善と悪が僕の中で狂っていく感じもあります。

今現在、コロナで大変な時期。
早くコロナの特効薬が開発される事を願う反面、アフリカでは何が起きてるんだろう。
考えれば考えるほど怖いですね。
コロナの特効薬というのは世界を救う反面、巨額の利益でもある。
その実験が予防接種という名で何も分からないアフリカの人達を相手に行われていたら。
考えれば考えるほど何が正しいか分からない。
ただ言えることは、この映画はフィクションであるという事です。
こんな事が行われているという証拠もないんですよね。
だけど、話の整合性が、辻褄が合いすぎてる。
こんな時期に観るんじゃなかった😅
でも今の時期だから感じる事、他人事じゃないと思える事もあるかなとも思います。


ただ言えるのは本作が傑作である事は間違いないです。