にこ

殺人の追憶のにこのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.0
気分が悪い。
せっかく今日のお昼にハッピーな映画を見たってのに台無しである。
誰だ。こんな韓流のどん暗い映画見せたやつは。
悪趣味大好きな我が母だ。クソ。

映画はな、娯楽であり、面白ければ★5つ、つまらなければ★1つだ。
この映画は面白いわけではない。けれどつまらないわけではない。
よく出来てるからこそ胸糞悪い。

未解決事件を題材にしているミステリーって、結局犯人は捕まらないしみつからない。
それ故にラストの締め方で、だからなんだよっていうのがでちゃうんですよ。そう、私にとってのゾディアックがまさにそうだった。すげーつまんなかったんすよ。ただつまんなかった。
でもね、これは違います。
面白くはないんだけど、楽しい映画じゃないんだけど、見応えとラストはとても良い。

韓流映画といえばベッタベタなラブコメ系だけかと思いがちだけど、こういう系統はありです。
ただ、かっこいい人とかとびっきりの美人は全然出てこない。
主人公ももったいし、THE韓国人みたいな人ばっかりだし、いうなれば不細工ばっかり(←韓国人に謝れ)
でも人間味がある人ばかりというか、人間味といってもやってることひどいやつばっかりなんだけど、全然完璧じゃない感じが逆に良くてね。
犯人をとにかく捕まえたいという気持ちが先行しすぎてそいつは違うだろ、ってやつを殴る蹴る逆さ吊りする、自白を強要する。
いやいや、これアウトでしょ笑
人間味というか、ただのバカやろうばっかりだったわ笑
まあ一番手の早かったバカはすぐに足が出ちゃうその足癖に罰が当たったとしか思えない感じになってましたけども。

で、結局何人か容疑者を捕まえては証拠不十分で釈放を繰り返し、ラストシーンね。
ここ、一番重要。
「普通の顔」普通ってなんだよ、どんな顔だよ。もはや顔がないんだよ。でもいるんだよ、犯人は。それも捕まらずまだ生きてる。
誰なんだ、ということよりも、狂気的殺人犯がのうのうと何年経ってもその村にいる、という狂気。
エンドロールでバックに映し出される田園の不気味さ、こんなにもキレイと思えない田園風景はリリイシュシュのすべて以来ですわ…
寒気まで感じるこのラストの秀逸さはなかなかでした…

好き嫌いが分かれる映画ではあると思う。
全体的に暗いし、役者陣一人除いてみんなかっこよくないし、やってることクソみたいなことばっかりだし、ポンコツ刑事だし、犯人捕まらないし、後味悪いし。
でも私は、気分悪いけど良かったです。
にこ

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