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恋する惑星のyksijokiのレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
3.3
発言の節々に面倒臭さがあるパイナポー野郎とグラサン銃所持女。
物に話しかける癖がある男とストーカー気質の女。
4人ともどこか変人でそういうところが非常に魅力的だった。

全体としてはとってもポエトリーな作品。
観客の読み取り方に任せている描写も多くて、結末も描いていない。
この辺りは監督の手法にも思える(結末や背景をあえて描写せず、観客に委ねる)ので好みが分かれそう。

前半のストーリー内ではアクション描写があるんだけれど、そこのグラグラカメラワークと酔いそうな背景の撮影の仕方はあまり好みではなかった…。逆に後半のストーリー内ではバーの中でその撮影技法が使われていて、そこは効果的ですごく良かったと思う。

2本目のお話のフェイにすごく引き込まれた。眼力も、動きも魅力的だし声の高さもとっても心地よかった。ストーカーっぽくて言動も若干おかしな子だったけれど純朴で素直で応援したくなる感じだった。
1本目は金城武の表情がすごく良かった。発言が割と引く感じだったけれど…。

二人の距離50センチ。偶然から恋が始まる。という冒頭と二つのエピソードを結ぶセリフは印象的であったしここに監督の主題があったのかなと思う。

2本目のエピソードは劇中の曲も印象的だった。California dreamin'とフェイの素敵なダンス。あの曲はすごくキャッチーだし、物語とも合っていた。
何度もかかるのでストーリーにも深みが出てたし、音量が大きくて二人の会話がままならない下りや633号の家でのシーンでも大きな役割を果たしていたと思う。単純にいい曲。

1本目は若干入り込めなかったけれど、2本目のエピソードはとっても引き込まれたし展開もあの夢遊病的な雰囲気も良かった。
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