ワイカ

人生、ここにあり!のワイカのレビュー・感想・評価

人生、ここにあり!(2008年製作の映画)
3.6
 良い映画でした。コメディかと思いきや、笑いはほどほどで意外とシリアスな社会派ヒューマンドラマでした。

 80年代のイタリアで、精神病院で薬漬けにされていた患者に仕事を与えて、社会に参画させようとした男性の実話ベースの物語。

 精神病患者が床のフロア材を独創的に美しく貼るところは目を見張りました。性欲があったり、普通のきれいな女性と恋したり、精神病を患っていても健常者と同じ欲求があるんだというのもうまく描かれてました。一方、途中でいろいろ問題も発生するなど、彼らと向き合うことの難しさもしっかり描かれてて考えさせられました。

 わりと最近の映画なのに映像や雰囲気が古臭いのは、物語の年代を意識したのかな?当時のイタリアの政治や社会背景を知らなかったため、左翼とか組合とか赤い旅団とかのセリフが理解しきれない部分もありました。

 少し優等生的なストーリーで、もう少し笑いや皮肉があった方が好みかも。同じジャンルならスペインの「だれもが愛しいチャンピオン」の方が好きかな。
ワイカ

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