ユースケ

サインのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

サイン(2002年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

意味不明な妻の遺言によって信仰心を失った神父が、宇宙人の襲撃をきっかけに意味不明な妻の遺言を都合良く解釈し、信仰心を復活させるお話。全ての出来事は解釈ひとつで神の啓示=サインだ。

大胆過ぎる伏線と怒涛の回収。ある一家に焦点を絞りミクロな視点から宇宙人の地球侵略を描いた傑作。タイトルはミステリー・サークルと神の啓示のダブルミーニングです。

とにかく、アルミホイルの帽子を被ったり、宇宙人の映った映像でアパアパしたり、宇宙人にケツバットをかましたり、ホアキン・フェニックスの怪演がたまりません。
特に、最後の晩餐シーンはシリアスすぎて逆にコント。照り焼きチキンを注文する彼が実生活ではベジタリアンだと知っていれば、いっそう味わい深いシーンになると思います。メル・ギブソンの怒り泣き食いも必見です。

宇宙人の目的とは…
テレビやラジオの情報で宇宙人の地球侵略を信じるメル・ギブソン一家ですが、劇中で宇宙人が人間を襲う直接的な描写はありません。クライマックスの宇宙人の襲撃シーンでも、宇宙人は息子を抱えているだけで、手首から発射されたガスもラジオの情報で毒ガスと言われているだけです。もしかしたら、宇宙人は息子の喘息を治療しようとしていたとは考えられないでしょうか?宇宙人の目的は本当に地球侵略だったのでしょうか?深読みかもしれませんが、本作はマスメディアによる情報操作の危険性を描いた作品なのかもしれないと思いました…こんな深読みをする私は監督のM・ナイト・シャマランと同じ電波系です。