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妖星ゴラスのニューランドのレビュー・感想・評価

妖星ゴラス(1962年製作の映画)
3.7
『妖星ゴラス』(3.7p) 及び『女探偵物語 女性SOS』(2.3p)

 この映画が公開当時、小学校にも入っておらず(幼稚園もだが)、観ていないが(『キングコング対ゴジラ』は隣の高校生のお兄さんに連れられて観たし、『世界大戦争』も親と観たが)、後に10年以上経って観たときも、お目当ての怪獣のウエイト小でかなり肩透かしだった。
 しかし、今日、経年劣化でオプチカル合成部が特に酷くなってるのでもキチンと観ると、その国際連合科学部主導·世界や地球の一員意識のはたらきが、今の地球内内戦·巨大エゴの塊り対峙·自然災害無防備に何か力を持つような気すらする。科学的根拠はよくわからないが、地球上でも宇宙シーンにおいても、揺れて動いてく意志的力に満ちた空撮めや主観移動、ズームや縦移動の伸びやかかつ細め呼吸的カメラ移動、核戦争間近を感じでても、それをはねのける人類の叡智を信じていられた時代の熱と真が息づいてる遺産は、かなりクリアで今を逆に問い詰める。
 実際どれ程有効で危険かわからないが、重水素原子力を、海水から得ての莫大エネルギーで、南極数百キロ半径の巨大基地で噴射し続け、地球の軌道を外す。6000から6200倍の超質量彗星のもろ衝突や·免れても接近時の海水や地表の襲いから、救う。全世界科学力を結集、政治·国家·民族エゴから開放、これまでの戦争の為から地球を救う為に総動員。国政·国家経済の締め付けは残るが。舞台は製作当時から20年後の1980年から、2年間。宇宙探索ロケット、宇宙ステーションは、各国飛ばしてて、宇宙パイロットは、威勢のいい·そこいらの運送や客商売の運ちゃんと大差ない捉えの時代。
 数十日分地球移動の予定を遅らせたセイウチみたいな巨獣(「マグマ」だっけ)、それを『ゴジラの逆襲』よろしく埋め、科特隊ビートルみたいなのでトドメ刺すは、やや見慣れた光景で熱冷めるが、全体に映画もキャラも刹那だが、本能的に前向きで結果二の次で、常識や理論に縛られていない。俳優も東宝のメインから脇まで味あるが、埋め尽くし活力になってるが、この頃には離脱してるのだろうが、河内桃子がいたら、ともないものねだりも。前にも言ったが、我々の世代では本多=円谷がその世界のエースで、それに比べると前宣伝の割には1977~8年のルーカス·スピルバーグはスピード·巨大スケール頼りで凡庸だった。寧ろキューブリックの楽天的版か。 
 ミニチュア各種·その総体と操作や破壊·広大と日常のセット·水流ら自然活用具合·アニメ筆描き加えの密と微·しっかりデクバージュ·色合いリアリティ、力が張り詰め、誇らしい。軌道を戻す為の、今度は陸地でない北極に噴射装置建設はより大変だが、という括りも忘れてない(『デルス~』を経験した後の黒澤みたいなもので、怯み·難儀さ無し)。
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 併映『女性SOS』は東宝SP か、角度切返し·縦斜めどんでん·リアクション·部屋を縫う様なのや俯瞰め裏通りの移動らは、スッキリも、興信所みたいな秘密探偵社を名乗る職場のやり手若手女性が同僚恋人やライバル社の者とも絡みながら、従兄の名前を借りて若い女を籠絡してく反社会的プレイボーイに、仕事依頼を越えて深入り·退治せんとするも、連絡·段取り悪く大ピンチに、の話だが、あまりに展開に穴·抜け·間抜けがくっつき離れず仕舞いで、いくら白川由美のプロポーションが日本人離れしてても、あまり応援したい気にもならない作。
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