「南極にブースター作って地球を動かすとかいう、トンデモっぽいあれでしょー?」と、大分ゆるい設定のSFを観るつもりで観始めたら意外にも(と言ったらなんですが)結構面白かったです。
作劇術でいう「大ウソをそれらしく見せるためにそれ以外はリアルで固める」という事なのか、「地球防衛軍」と同様に人類の組織や社会の動きが非常にリアルに描かれており、ストーリーパートでは社会派ドラマ的な印象を受けるほどでした。特撮映画で予算調達のせめぎ合いや個人と組織の板挟みのやり取りを観るとは思わなかった……
唐突な記憶喪失展開と、突然の怪獣登場は意味がよく分かりませんでしたが。(後から調べたら、怪獣の方は上層部から「入れろ」とねじ込まれた"監督かわいそう"案件だったらしいです)
ゴラスが超重力で通過する周辺の小惑星等を取り込んでしまう、ちょうどブラックホールみたいな厄災である辺り、ちょっと話の構造的に「さよならジュピター」の先行作みたいな感じがあったのも興味深かったですね。