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キングコング対ゴジラのシネラーのレビュー・感想・評価

キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)
4.0
『ゴジラVSコング』が公開延期を
重ねる中で、約60年前の本作を再鑑賞。
娯楽を詰め込んだ、
良い怪獣対決映画だと思う。

北極海から復活したゴジラと
ファロ島の魔神キングコングが、
日本を舞台に対決する物語だが、
作風自体はとても娯楽的で、
人間ドラマは喜劇と言っていい内容だ。
製薬会社の社員達が
自社の提供番組の為にファロ島へ
訪れた事から物語が展開されるが、
その製薬会社の宣伝部長が
コングで宣伝しようと躍起になる姿は、
一辺倒なコミカルさで面白い。
本作が切っ掛けで『007は二度死ぬ』
に出演された浜美枝と若林映子は、
今でも美しいと思った。
ゴジラとキングコングの対決自体も面白く、
どちらもどこか愛嬌があって良かった。
岩の投げ合いや熱海城を挟んでの戦闘は、
二体で遊んでいるようにも見えた。
又、戦車を蹴散らすゴジラに、
女性と絡むコング等のお約束も健在であり、
それぞれの見せ場が損なわれていないと
感じられた。

物語として娯楽に振り切っている分、
何故と思う部分は多々あるが、
その部分を呑み込める面白さがあると思う。

ゴジラシリーズの中で歴代最高の
観客動員数を記録した本作だが、
シリーズとしても怪獣対決路線を
決定づけた作品だと思う。
延期となっている再びの日米対決を
楽しみにしつつ、
過去のゴジラとコングの対決に高揚する
良い再鑑賞だった。
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