Inagaquilala

キングコング対ゴジラのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)
3.5
「ゴジラvs コング」の予習として、60年近く前に製作されたこの作品を再観賞。以前観たのはかなり前なので、物語はほとんど覚えていなかったが、富士山麓でゴジラとキングコングが合まみえたのは記憶の片隅に残っている。どうやら東宝創立30周年記念作品として、アメリカで「キングコング」の権利を有していたRKO社からライセンスして製作された「日米合作映画」だが、「ゴジラ」シリーズとしては、第2作の「ゴジラの逆襲」(1955年)からは7年ぶりとなる新作だった。この作品では、まだゴジラは「人類の味方」的なキャラ付けはされてなく、純粋に怪獣どうしの日米決戦の趣がある。そのためか、バトルでの雌雄はつけられておらず、どちらの怪獣の行方もはっきりとはさせていない。

さすが創立記念作品らしく、それまでの「ゴジラ」シリーズからはグレードアップして、当時は「総天然色」と呼ばれていたカラー作品になっている。どうやら企画は、アメリカ側からの売り込みもあったらしいが、シリーズ第3作の時点ですでに日米決戦が実現していたことにちょっとした驚きも持つ。まだCGなど影も形もない時代の特撮作品、いまと比較すればまるで玩具の国で繰り広げられる闘いだが、最初に観たときは、結構リアルに感じた思いもある。そういう意味で言えば、「ゴジラvsコング」と観比べて、映像技術の進歩に感慨を寄せるのもいいかもしれない。
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