マッサージ屋

あの夏、いちばん静かな海。のマッサージ屋のレビュー・感想・評価

4.0
聴力障害を持ち、清掃車の助手の仕事をしている茂(真木蔵人)はゴミ収集場に折れたサーフボードが捨ててあるのを見て持って帰った。
自ら修理し恋人の貴子(大島弘子)を連れ早速海に向かう二人。
サーフィン初心者の茂は見よう見まねで波に乗ろうとする。
そんな茂の姿を優しく見つける貴子。
結局サーフボードは壊れてしまうが、給料を注ぎ込みサーフボードを購入する茂。
健気な姿勢の茂に最初は嘲笑していたサーファー達も態度を変え始め・・・。

北野武監督の第3作目。
聾唖カップルが主人公という事でまさにタイトル通り、とても静か。
茂と貴子は喋らないどころか手話もしないのでとにかく表情と行動だけで心情を読み取らなくてはいけない。

それに対しサブキャラ達は明後日の方向に行く人物もいてクスッと笑えます(笑)
最初はからかっていた茂の同級生2人がなかなか味があって可笑しい。

何より久石譲が北野映画で始めて担当したのですがこれが台詞が少ないこの映画にピッタリなんですよねぇ。

そしてラストは…。
泣き叫ぶわけでもないキャラクターに逆に見ていてジーンとしてしまう。
素晴らしい締めです。