アニマル泉

ゼイリブのアニマル泉のレビュー・感想・評価

ゼイリブ(1988年製作の映画)
4.2
ジョン・カーペンターのSFアクション。いつの間にか地球はエイリアン=THEYに乗っ取られているという恐怖を描く。
「落下」や「高さ」が強調される。ナダ(ロディ・パイパー)がホリー(メグ・フォスター)の高台の家から転がり落ちる、ナダが清掃車の荷台から滑り落ちる、クライマックスはワープホールから落下して地下のエイリアンの秘密基地に潜り込む、ラストシーンは登りつめたケーブルテレビ会社の屋上だ。
ナダ個人が圧倒的な体制のエイリアン=権力と孤独に戦う。フランク(キース・デイヴィッド)と途中からバディになるのだが、この二人の喧嘩が長い。バイパーは全米プロレス界のスターだ。その見せ場だからたっぶりと、最後はプロレス技のブレーンバスターで決着する。
ナダ達の労働者とエイリアンが支配する勝ち組の戦いは、格差社会や貧困問題という通奏低音として本作を貫いている。サングラスをかけると偽装電波が解除されてエイリアンが髑髏になるというのが本作のアイデアだ。ただし、髑髏という造形、髑髏=エイリアンならば皆殺しにするというのが差別的な危険を感じる。紅一点のホリーは二重スパイとしてもっとミステリアスに色っぽく描いてほしかった。ユニバーサル カラーシネスコ。
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