タコ社長

妻よ薔薇のやうにのタコ社長のレビュー・感想・評価

妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)
4.0
妾が本宅へ送金していることを知っても夫の有り様がさほど変わらないのは違和感だけど、当時の共通認識で言えば当たり前なのかな。
「いや、随分前からお金は送ってないけど……え、おゆきがやってくれてたの?そうなの…あ、うん、いやなんかね、すまんね、うん。あ、肩揉んでくれるの。いやー気持ちええ」みたいな(笑)。
本宅が憂鬱でしかない苦しみ。
妾宅でのこの上ない幸せ。
婚姻関係の煩わしさ、そして男と女という一対一の問題。そのどちらも放棄した「父」。だが、一つ下の世代には既に男と女の間柄に新しい風が吹きつつある。

価値観が揺らぐ娘の眼差しに田舎の風景が交差していくラスト、成瀬節!と勝手にそう思いました。偉そうな感想でごめんなさい。
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