タコ社長

SKIN/スキンのタコ社長のレビュー・感想・評価

SKIN/スキン(2019年製作の映画)
4.1
黒い肌を憎む。
という実際的な行為と思想。

ではなく。一人の男が心を預けられる女性と出会うことで「団結する為の抜け出せないファミリー構造」から解き放たれるまでの葛藤と衝突の2時間でした。白い肌に刻み込まれた痛々しいタトゥーは憎悪への決意のようで、己の恐怖心や迷いを寄せつけないおまじないにも見える。「決心」は相手からすると「後悔の入り混じった約束」として映るし、ファミリーからすれば一時の気の迷いとして受け止められる。
孤独で飢えた少年をまるで我が子のように育て上げてくれたその恩と忠誠心。巧みに利用され元々あった不満は人種憎悪に変換されていく。延々続く悪循環だけど、結束は安心でもあるし。苦しいですよね…。
改心に全力を注いだ彼のサポートに頼ること。タトゥーを地獄の痛みに耐えて消すこと。一人の男に戻ること。全てがとても大きなハードル。尊厳を取り戻す。
タコ社長

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