めちゃくちゃ分かりやすくてびっくりした。面白かった!!!
人間の虚栄や倫理観を浮き彫りにする、濃密な演劇的サスペンス。
友人を殺した"気弱くん"と"高慢くん"が、殺人現場でのパーティをよく出来たコントのように生き延びる。
何かを隠している時の妙な嘘が盛り込まれた脚本や、食い気味にフォーカスインするキャラクターも外連味たっぷり。
主人公たちのコソコソ話のワンショットでもカメラの外から声が届く。
袖を引っ張られるようにカメラが左右前後にゆっくりと揺れながら、犯罪後の世界が進んでいく。
ワイド感のまるでない画角もなんかお茶目。
殺人犯は2人。映画の中腹では気弱くんが先生に先に尋問されまくるので、高慢くんは尋問の恐怖に気づいていない。次に観客が期待するのは当然「高慢くんの青ざめる顔」である。
そんな観客に待っているのは、どこまでも霧深い空虚だった。
そんな「トホホ〜〜!」みたいなエンディングはやってこない。当たり前なのだ、当たり前に殺人犯は裁かれる。当たり前に人々の野次馬と赤/緑のライトに照らされ小さなアパートの物語は幕を閉じる。
初めてのカラー映画とのことで、このライトの閉塞感がまた生きる生きる。
哲学書は"small print,big word,no sales...."だって。分かるぜ。