救済P

ブレイブ ストーリーの救済Pのレビュー・感想・評価

ブレイブ ストーリー(2006年製作の映画)
3.8
原作・漫画読了済み。ゲームすべてプレイ済み。

10歳当時劇場で鑑賞し、久ぶりに観た。記憶の中よりもは面白かった。

精緻なキャラデザとなめらかに動くアニメーションは見事に宮部みゆきの描くヴィジョンの風景を再現していて、まさしく子供から大人まで楽しむことができる映像作品にしあがっている。
ミーナが凄まじく可愛い。全ての小学生男児をケモナーにした。俳優女優陣による芝居なので声はたどたどしいが、ワタルとミツルの必死さには胸をうたれる。

はじまりの試練やカエルのところは幼稚さが抜けきらない。全体的に原作のダークファンタジー感は薄れ、上巻で緻密に描かれていたワタルの現実世界における苦難もかなり省略されている。キ・キーマ、ミーナと旅を伴にし、絆が深まっていく過程についても主題歌を垂れ流して全カットする長編アニメの悪しき流儀に則られている。賛否両論、というか賛否否否否否両論くらいのラストシーンについてもパンフレットのインタビュー含め様々な憶測、解釈が飛び交っているが決して腑に落ちるものではない。

それであっても、原作のあの分量を2時間に満たない映像作品に落とし込み、説明不足であることを加味しても美麗なアニメーションとして昇華していることに関しては評価に値する。胸を張って面白いとは言いにくいが面白くないはさすがに言い過ぎ。
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