荒野の狼

ホビット 思いがけない冒険の荒野の狼のレビュー・感想・評価

3.0
映画『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』3部作の原作の小説JであるR・R・トールキンの小説『指輪物語』の前日譚『ホビットの冒険』を三部作として映画化した第一作。原作を比べると『ホビットの冒険』は、『指輪物語』に比べはるかに短く、当初、映画は二部作の予定であったものを、事情があって三部作にした。そうした背景からか、169分ある第1作にあたる本作は、不要なシーンが多く、半分ほどの長さが適当であったのではないかという印象。登場人物も、映画に必ずしも必要でないキャラクターが多数登場し、物語の焦点がボケてしまっている感がある。三部作の第一作ということで予想はできたが、本作のみでは、ストーリーの全体像がつかめず、適当な場所で、突然終わってしまう感はいなめず、本作だけ独立して視聴してもまったく意味のない作品となっている。二作目以降の期待感を持たせるというよりは、何故、一作目を、このような中途半端な場面で終わらせたのかという疑問が残る終わり方。スピード感にかけ、アクションシーンも、これといった記憶に残るものはあまりない。『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』のファンとしては、魔法使いのガンダルフを、全シリーズと同じイアン・マッケランが演じており、本作の全体の雰囲気も、シリーズに似ており、丁寧に制作しているので、好感は持てる。本作の一番の魅力は、最初の”指輪”の持ち主で、不気味なゴラム。残忍だが、なぞなぞ好きで、二重人格の極めてユニークなキャラクター。まとめると、本作は、2作目以降を見るために視聴が必要なイントロ的作品で、多少見終わるのに我慢が必要な、やや冗漫な一作。
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