あしたか

プラダを着た悪魔のあしたかのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
4.0
[あらすじ]
ジャーナリストをめざしてNYにやってきたアンディ。オシャレに興味のない彼女が手にしてしまった仕事は、世界中の女性が憧れる一流ファッション誌のカリスマ編集長ミランダのアシスタント。しかし、それは何人もの犠牲者を出してきた恐怖のポストだった!悪魔的にハイレベルな要求・鳴り続けるケイタイ・彼女の毒舌に苦しまされるアンディだが…。

今更鑑賞。


冒頭からスピード感に溢れ、掴みは抜群。ミランダがいかに恐ろしい存在であるかが短時間でパワフルに描写されている。
現れた悪魔ことミランダ(メリル・ストリープ)は目も合わせずに囁くように言葉を発する。そこから感ぜられる恐怖もカリスマ性も抜群だ。

いかにも仕事が出来る風の社員たちが早口で台詞をまくし立てる社内で、おっとりめの主人公が叩き上げられていくのを楽しむお仕事ムービーとなっている。彼らの仕事ぶりから学ぶことは多いので、主人公のようにファッションに興味がない人でも問題なく楽しめる。

全編非常にテンポが良く、目まぐるしく事態が変転し全く飽きさせない。体感時間は非常に短く感じられる筈だ。
しかし忙しない空気感の中にも、スタンリー・トゥッチ演じる穏やかな男性社員が時より安心感を与えてくれるので、緩急も抜群。

中盤で変貌したアン・ハサウェイは余りにも美しい。
顔芸が多彩なエミリー・ブラントも魅力的なキャラクターで物語に彩りを添える(可愛い)。
アンディの成長ぶりを見て徐々に表情にも変化が出てくるメリル・ストリープ。繊細な演技の変化が堪らん。

仕事が"充実"し過ぎるあまりにプライベートも侵食され始めるなど、物語は起承転結メリハリが効いている。


見終わってみると、同じ場所で仕事をしながら全くの別世界を生きる2人の物語だったのだと思う。どちらかが正しいのではなく、どちらも目指すはプロフェッショナル。茨の道を行くミランダと、人間らしさを失いたくないアンディ。
それでもどこかで通じ合っていた2人の唯一無二の関係性を見ると、ある種の尊さを覚える。立場は違えど互いを尊敬する仕事人2人。何も言わずともそこには爽やかな感動がある。
最後にメリル・ストリープが見せるわずかな微笑みを目にして、えも言われぬ温かみが心に点るのを感じた。


では最後に。That's all!


P.S. この映画を見た後に『マイ・インターン』を見ればよかった。