あしたか

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのあしたかのレビュー・感想・評価

3.8
よくある映画なら家族の危機には一丸となって立ち向かうものだが、本作は全くそういうことをせず、それぞれを利己的に描く。一番幼い息子ですら強かな行動を取る。
大変露悪的で悪趣味で、それが面白いポイントでもある。人間がいかに自分可愛さに行動するか、を描いている。

一方で罪に対する罰の話でもあるが、本作の"罰"は理不尽で超自然的でどうしようもない。神様の行いを止められないようなものである。
ではこれを反省して"罪"を犯さないようにしたいところだが、本作の罪は人間の傲慢さを指していると思う。主人公の過去の行動は、傲慢さがなければ生まれていなかった筈だから。

理不尽な不条理劇だが、不気味な世界観が好き。
バリー・コーガンは変態的な悪役が似合いすぎる。
あしたか

あしたか