気色の悪い不条理コメディ、意地の悪い家族ドラマ、馬鹿げたミステリ、不気味なホラーといった要素を持つトリップムービー。
精神が不安定になりかねない描写と演出の数々に圧倒される(特に序盤は妙にリアリティがあるので怖い)。一言で言い表すとやっぱり気持ち悪い映画。変なもの、狂気的なものが好きな人にはオススメ。
絵面や出来事は終始異常だが、母と息子の物語には物凄く普遍性があり、共感性はきっと高い。
ナンセンスな不条理劇はダーレン・アロノフスキーの『マザー！』を思い出させるが、あれよりはずっとわかり易くて娯楽性に富んでいると思う。
長尺の作品だが、章仕立てになっておりとにかく色々なことが起きるので飽きにくい。私は好き。
