一人でバカンスにでかけるなんて嫌。パリに残るのもいや。いやなことは明確なのだ。では好きなことは?
これでは自ら不幸になるように行動しているなあと思いながらも、泣いてばかりいるデルフィーヌが不憫にも思えてくる。
好きなことを探すというが、探さなきゃいけないようなら好きなことなんてないんだよ。好きなことがあれば、もうとっくにやっている、というようなことをエッセイに書いている人がいた。
なんにもやりたいことがない。
やすらげる居場所がない。
もうこれでは占いや偶然という名の運命にすがるしかないじゃないか。
エリック・ロメール監督の本作は、ネガティブだらけのデルフィーヌを見守っている。