みゅうちょび

しあわせな孤独のみゅうちょびのレビュー・感想・評価

しあわせな孤独(2002年製作の映画)
3.8
なんとー!開始、いきなりのドグマ95マークがー!
わたくし、初めてドグマ95作品を鑑賞しました。

予期せぬ初体験です。しかも凄くいい作品でした!ジャケ写がしょぼすぎますー!Filmarksさんちゃんとしたのに変えたって〜!

で、この作品、「真夜中のゆりかご」やNetflixの「バードボックス」の監督、デンマークのスサンネ・ピア監督作です。もしかして、これが長編初でしょうか?

女性監督ならではな女性の心理表現が見事でした!

因みに、ドグマ95作品は「純潔の誓い」10のルールに則って製作されていると言うことで、自然光、手持ちの35mmカメラ、BGMなし?だったっけ?、フィルター使っちゃダメとか今目の前で起こっていることをそのまま映像にしなきゃいけないとか…なんだかんだ色々制限あるんですよね。

フィルムのせいもあって生々しくリアルでありながら、映画的センスに溢れた作品でした。

深く愛し合い結婚を控えるセシリとヨアキム。突然の事故でヨアキムは半身不随となり献身的に病院に通うセシリは、ある日ヨアキムを撥ねてしまった女性の夫でありヨアキムが入院している病院の医師でもあるニルスを頼るようになる。そして…

Filmarksさんのあらすじは結構書いてあるんですね。

このセシリとニルス、もちろんヨアキムのそれぞれの精神状態と言うか、彼らの行動には非常に説得力があります。

恋人を撥ねた女の夫とよくもまーそんな関係になれるなと思うかもしれませんが、これは事態に対して多少なりとも責任を感じているニルスの心理と、彼に責任はないけれど、そんな彼の心の弱みとそれ故の優しさとその病院で働く医師であると言う安心感みたいなものが相まって、弱りきったセシリがちょっと図々しいくらいにニルスに頼ってしまう構図は、納得。そして、ニルスも、自分には責任は無いとはいえ、自分の妻が関わってしまった事故で恋人をある意味失ってしまったような状態の女性(しかも若くて美人)が彼を頼ってきて「抱きしめて」なんて言ったら…それはなかなか断れないのでは無いかと…

一方のヨアキムが幸せな未来が見えない状態でセシリに辛くあたるのも誰もが理解できることだし…

ああいう複雑な状況でのこれまた凄く複雑な男女の心理を巧く描いていて、あの結末にも至極納得できた。

制限のある製作環境でも、多少の未熟さ?はあるものの、作り手次第で良い作品は撮れると言うのを証明しているのが凄いなと思います。

医師ニルスを演じるマッツ・ミケルセンもヨアキムを演じる特捜部Qカールことニコライ・リー・コスも若くて、ニコライは色白でお肌ツルスベです!!

テーマが暗い作品かと思いきや、毒舌吐きまくりで、なんともな嫌な奴感を醸し出しながら困ったちゃんなヨアキムには思わず「おいおい」と突っ込み入れたくなると言う…

ヨアキムと看護師のトゲトゲしいながら笑う…妙なやりとりがアクセントにもなっていたりして面白いです。

いい物を見せていただいたと言う満足感がありました!

taiさんご紹介ありがとうございました😊ご紹介なければ出会えなかった作品です!
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