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いわさきちひろ 〜27歳の旅立ち〜のSAtone52484のレビュー・感想・評価

4.0
亡くなった祖母が大好きだった「いわさきちひろ」。
戦前〜戦中〜戦後を生きた人には、それぞれの苦労・苦悩・葛藤があっただろうけど、彼女の場合、その淡く柔らかな作品からは想像できないぐらい、多くのものを抱えていたことを知った。
祖母もかなりの苦労人だったので、なぜ彼女が「いわさきちひろ」に惹かれたのか、少しわかったような気がした。



松本善明との夫婦関係は、当時としては(そして今日においても)非常に進歩的。
夫が司法試験の勉強中は、必死に家計を支え、その後も「絵本画家」として邁進する、ほんとうに信念のある人だなぁ…

絵本作家や挿絵画家の作品の権利について戦ったり、自分の作風を模索して憤ったり、反戦を訴えるべく戦禍にある子供達を描き続けたり…
淡く、柔らかく、「可愛らしい」と思っていた彼女の作品が、色濃く見えてくるから不思議。

鑑賞後、実家の母に、幼い日に読んでもらったいわさきちひろの絵本たちの所在を、思わず確認してしまった…
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