HidekiIshimoto

壁あつき部屋のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

壁あつき部屋(1956年製作の映画)
4.5
巣鴨プリズンのBC級戦犯手記を元に脚本安部公房、監督小林正樹とまあ当然ながらの激作だった。色々wikiったら制作の53年はBC級釈放運動の真っ最中、なのに「合衆国に配慮し56年に公開」となってる。いやA級戦犯なのにCIAと取引して自民党初代幹事長就任の安倍晋三の祖父岸信介に配慮じゃないんかい?と当然ながら思う。確認したら自民立ち上げがまさに55年。CIAからの資金提供も「現在米国政府はこの事実を認めているが自民党はこれを否定している」と至高の脱力ギャグ。で56年にはA級戦犯全員釈放なのにBC級全員釈放はやっとこさ64年。要はこんなご冗談なA級の方々の皺寄せと尻ぬぐいでBC級戦争犯罪者にされた人々を描く、まさに「狂ったまま狂いっぱなしか…」な日本の映画だった。