HidekiIshimoto

終電車のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

終電車(1980年製作の映画)
4.5
ドワネルシリーズを終わらせ、完全に地に足がついた感じのトリュフォー。たしか20代で1度観てるけど、この大人な感じは全く解らなくてほぼ記憶になかった。今観ると端から端まで面白くて、大人になれたかどうかはともかく、歳くったお得さは味わえる。モラトリアムなドワネルもいいけどこんな大人ドラマはお得というより落ち着く。子供文化の日本は疲れる。大人女代表ドヌーブの眩いばかりの大人美。旦那役の人も激渋にかっこいい大人男。ナチは所詮こじらせたイキった男集団。日本もそんなナチ系男多くて疲れる。この時トリュフォー48歳か。これのちょい前に『未知との遭遇』でトリュフォー出演させたスピルバーグも、シンドラーで地に足つけたのは46歳だった。男がイキらずほんとの大人になるにはそれくらいの歳までの自由なモラトリアムが必要なのかも。で芸術はモラトリアムの最良のゆりかご。とトリュフォーにかこつけて自己弁護。