乙郎さん

夢売るふたりの乙郎さんのレビュー・感想・評価

夢売るふたり(2012年製作の映画)
4.5
わたしがこの映画を好きなのは、要は孤独を取り扱った作品だからなのだろう。孤独により内側から蝕まれる女性たちに、松たか子と阿部サダヲは夢を与える。しかしながら、夢を与える側の内面はどうなるのだろう。そちらへ踏み込んでいるのが非常に誠実だと感じた。立川談志は「落語とは業の肯定である」という至言を残したが、この映画はまさに業の肯定だった。映画のファーストショットが仕出しの場面から始まっているのも「芝浜」を思わせる。
乙郎さん

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