りっく

ハタリ!のりっくのレビュー・感想・評価

ハタリ!(1962年製作の映画)
4.2
猛獣ハンターたちのプロフェッショナル集団劇として見応えとユーモアたっぷりの娯楽大作。冒頭のサイ捕獲場面から、シマウマ、ヒョウ、ゾウ、ダチョウ、サルなどなど、当時どのように動物を演出して撮影したのか分からないほど妥協なきハントシーンが続く。特にラストの子象三頭と共にヒロインを探しに街中を駆け回る場面はちょっとどうかしてるくらいのドタバタっぷりで最高の一言。

その一方で、多国籍チームが例えば徐々にピアノの周りに集いハーモニーを奏でる姿を少し離れたところからジョンウェインが温かな視線を送る一連のセッションシーンはじめ、本作に漂う多幸感は堪らないものがある。奥手な男たちと、積極的な女性たちのもどかしいやりとり等、どこか応援したくなる愛らしいキャラクターだけしかいないのもホークス作品ならでは。

プロフェッショナリズムが作品の根幹に貫かれ、その一方で決してシリアスにもシュールにもならない、まるでピクニック気分のような楽天性と遊戯性がある。偉そうな作家性を振りかざさず、ひたすらエンターテイメントに徹する姿勢は、逆に稀有で素晴らしい。
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