晴海通り

同級生の晴海通りのレビュー・感想・評価

同級生(1998年製作の映画)
3.8
LGBTQについては刻一刻と、というよりものすごいスピードで状況が変わっているように感じる。題材にしたドラマや映画も増えてきた。長いあいだ作品世界のマジョリティだった男と女の色恋沙汰と同じように描かれるのも、もう少しなのかなと思う。それがいいかどうかはまた先の話しだけど。

同性カップルにおけるおそらく唯一?の男×女カップルとの相違点は、周囲に関係を知られるのに少し(あるいは多大な)勇気が必要なことかと。「あいつら付き合ってるらしいぜ」では終わらない人もいるかもしれない。そんな、あなたの人生に何も影響ないじゃないですか、と言いたいけれど、世の中には他人の生き方に口を出さずにはいられない暇な人が大勢いる。

ましてや本作のように閉じられた“思春期の男女を詰め込んだ学校”ではもう本人も周りもどうしていいかわからない。誰にも言えない、見られたらやばい、でも好き、楽しい、愛してる…

何か劇的な解決が示されるわけではないし、主人公とその彼が今後どうなっていくかも想像に任されている。だからこそ“Get Real”なのかも。当たり前のティーンの日常が、ポップに寄せたりアート臭させたりせず丁寧に描かれていて、だからこそ良かった。他の方も書いておられますが、理解ある、少なくとも同じ目線で話せる女友達とお母さんが素敵。そう、勝手に自分の“あるべき論”を上から振りかざして個人を圧迫するのは、いつだってマニッシュ男なのだ(言い過ぎか?笑)。
晴海通り

晴海通り