カウリスマキ初鑑賞。なるほど独特で地味で滋味深い…。フィンランド+食堂開店シーンだけは「かもめ食堂」と同じだったけど、これに比べたらあっちは「お気楽自分探しの延長」で、こっちは「人生再起を賭けた勝負」。夫婦で失業、次々不運。逆境に遭いながらも感情の起伏を見せない2人。笑わないってだけで人ってこんなに老けて見えるのね…。口を一文字に結んだまま淡々粛々と人生を切り開いていく姿は力強い…のだけど、どこか滑稽。そのアンバランスさがずっと可笑しい。そして淡々粛々と仲間も救う。感情も節約モードで、愛想笑いも媚びへつらいも要らない人間関係は人に何かを強要しない。一周回って優しい。これがフィンランドの「自分らしくいられる」真髄なのかな。最後のドキドキハラハラ場面もゆるくて、でもちゃんとほっこり安堵。