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浮き雲のENDOのレビュー・感想・評価

浮き雲(1996年製作の映画)
4.0
のちの『希望のかなた』に通ずるレストランの連帯。オウティネンさんの沈黙の中にある不屈の精神を見習いたい。トラムを運転する夫の肩に静かに寄りかかる場面、どこまでも映画。アル中シェフのペルトラさんがいい味出してる。新たなレストランにやってくる通行人をガラス越しに見つめるカメラ。それだけでドキドキする。エリナ・サロ演じる童顔のオーナー。『マッチ工場の少女』とは打って変わってまさにデウス・エクス・マキナを体現する人生の先輩。幸せは空のかなたにとでも言うべき夫婦(と犬)が見上げる空は映らないが、その眼差しで終わる素晴らしいラスト。トランプを配る年配の経営者はフィンランドの国民的マジシャン、2人の亡き子供の写真はペロンパーの幼少時代のものらしい。
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