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嵐の中の男のmitakosamaのレビュー・感想・評価

嵐の中の男(1957年製作の映画)
3.3
スカパーにて。調べたら黒澤の姿三四郎より前に作られているんだね。(東映の姿三四郎は更に前だけど)

三船敏郎主演で明治期の柔道家の物語。この時代は柔道はまだ新武道で、柔術がまだ町道場として存在していたんやね。

日露戦争の後で、日比谷焼き打ち事件ってのがあったらしい。日露戦争講和のポーツマス条約が、ロシアからの賠償を含まなかったことに対する抗議活動だったとのこと。結構な暴動だったようだ。

で、話は静岡の下田から。警察の柔道指南に招かれた渡三郎(三船)。
地元の柔術道場では丁度道場破りが行われている。劣勢な道場に助っ人として入る渡4段。
敵方に田島義文とかがいるんだけど、面白いのは蟹挟みを仕掛けてるんだよね。この頃はまだ柔道でも反則じゃなかったんだなー。

で、渡の強さに道場の1人娘(香川京子)も目がハート。
だが、道場には素行の悪い一番弟子・辻堂がいて、お嬢さんをとられて面白く無い。なかなか性格の歪んだ柔術家だ。
更に辻堂がヒモしている女の兄、沖縄空手の使い手・屋嘉比(田崎潤)も登場!

でも喧嘩騒ぎが元で渡は東京へ。お嬢さんが追い、更に辻堂・屋嘉比も上京し、焼き打ちからテロ化したグループに参加。おお!ここで日比谷焼き打ち事件の前フリが効いてくるのか!と盛り上がったと思ったら…

最終決戦は下田に戻って只の野試合かーい。ここは警察側の渡とテロ側の辻堂・屋嘉比という図式じゃないと盛り上がらないじゃーん。
崖で格闘して、勝ったは良いけど辻堂と屋嘉比は仲間割れして崖から落っこっちゃうんだよ。でも渡とお嬢さんは抱き合ってハッピーエンド。思わず笑うよ、こんなの。
ラストが思てたんとちゃうー!途中まで結構面白かったのに!
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