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喜劇 女は度胸のzhenli13のレビュー・感想・評価

喜劇 女は度胸(1969年製作の映画)
4.0
やっぱり泣いてしまった。見ないこと・見えないことによる誤解や憶測で男女のドラマが生まれるプロットは至極単純なはずなのに何故こんなに泣けるのか。
清川虹子の使い方が滅茶苦茶キマってる。黙して顔を上げず、澱みなく喋り続ける渥美清と花沢徳衛とのドタバタを背景に静と動のコントラストを際立たせ、ここ一番のクライマックスで立ち上がる。滅茶苦茶格好よい。
その清川虹子の存在が、男のだらしなさを引き受ける強い女、タイトルどおりの「女は度胸」を標榜する存在であることは(現代の視点からすると)やや残念ではあるが、それを差し引いても、女の尊厳、とりわけ日陰者とされてしまう立場にある女の尊厳をきっちり描く森崎東のデビュー作は素晴らしい。羽田空港を往来するヒコーキや発展途上の京浜工業地帯も演出としてキマっている。
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