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ハズバンズのzhenli13のレビュー・感想・評価

ハズバンズ(1970年製作の映画)
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今はなきシネ・アミューズのジョン・カサヴェテスの回顧上映で初めて『ハズバンズ』を観た。たしか2000年。それ以来観てないけど強烈に忘れられない。いつ終わるとも知れない、グダグダダラダラの宴会。禊はしらじらと終わらない。日常に戻っても。



2023/09/29 『ア・チャイルド・イズ・ウェイティング』鑑賞 Strangerにて

StrangerのZINEカサヴェテス特集を読んで『ハズバンズ』のことを思い出した。20年以上前に一回観たきり。しかしもう一度観たいと思わない。アメリカ中流中年白人男性仲間4人のうち1人が亡くなり、葬儀の日から3人は日常からの逸脱を続ける。その意図的にだらだらだらと長い長い逸脱が衝撃的で忘れられないし、わざとあからさまにホモソーシャルなおふざけが描かれてる。当時は肯定的に観ていたけど、いま観たら多分嫌だなと思う。
ほとんどの女性にそういう逸脱は、分かち合える同年代集団での逸脱はできない。『テルマ&ルイーズ』にも結局は「断罪」がある。

同時に昨日観た『福田村事件』のことも思い浮かべる。内務省の通達を受け、福田村では朝鮮人を摘発するための自警団が組まれる。男たちは待ってましたとばかりに嬉々として竹槍を用意する。それは大義名分を着た幼稚な日常逸脱願望の達成に他ならない。ほとんどごっこ遊びである。
女たちは日常の続きを補填し続ける。男たちが放棄した仕事を補填し、男たちのごっこ遊びの「後方支援」となる。自警団の解散を言い渡されると、男たちはがっかりし、女たちは「ほれ馬鹿なことやってねぇで仕事に戻れ」と尻を叩く。
男はいつまでも幼稚な願望を持つことができ、それを叶えるチャンスをそこらじゅうにもっている。女には許されない。そういう表現だった。
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