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チャドルと生きるのMACabuserのレビュー・感想・評価

チャドルと生きる(2000年製作の映画)
4.0
題「The Circle」が示すように、
カッコ付の「イラン女性」の闘争が
円環となって連なった社会批判映画。

本意は「チャドルと生きなくてはならない」であり、
人を生かしも殺しもするものは〈制度〉に他ならない。
映画の各場面で強調されるのは
「なぜこれが禁止されるのか?法に触れるのか?」

肌を露出することに何の疑問も持たないこの日本でできるのは、
その理由をアラブ国家の歴史と信仰から考えることだけ、
同じ人類としてこういう考え方もあると受け止めることだけ。


20世紀フランスという平等主義の優等国家で生じた
サルトルいわくの「自由の刑」には(形だけでも)
欧米的自由主義のもとという前提があるため、
享受するほうもまた然り
思想はその時間があるという意味での怠惰が許される者の
特権に思えてくる
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