チャドルと生きるの作品情報・感想・評価

「チャドルと生きる」に投稿された感想・評価

mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

3.5
イラン国内でよくこんな映画が撮れたな...と驚嘆するほど、かの国で人としてあまりにも下等に見られている女性達の絶望的な状況を描いており、ヴェネツィアで金獅子賞獲得も至極納得。英語の原題に「Circle」とあるように、主人公が1人に固定されず関わっていく女性たちが次々と移り変わりながら、彼女たちが共通して置かれている閉塞的な状況そして一生を立体的に浮かび上がらせていくような手法が極めて秀逸。昨今過度なポリコレに辟易する事も多いが、一方で世界にはまだまだこうした形で「人間の中に2つの階層」が残っている国もあるのだという事を突き付けられる。
【世界シネマ大事典】イラン映画のニューウェイヴ
【みんなのシネマレビュー】平均5.7点
かえで

かえでの感想・評価

3.6
同じ女性だけど、生まれた場所によってこう違うの??どんどん不幸がまわって見ていて辛かった
TAKA

TAKAの感想・評価

3.8
女性がイランで生きるってたいへんなことだわ。身分証がないと何もできないし、女性一人で街を歩くこともままならない。
かわいそうと言ってしまえば簡単だけど、そんな簡単なことではないことが描かれてる。
ある一日のイランにおける女性の不遇な扱いが描かれるジャファル・パナヒ監督作品。
登場する複数の女性がリレーのように物語を繋いでいく。リレーというよりかは巡り巡っての方がいいかもしれないけど…

女の子が生まれて慌てふためく祖母から始まり、
女は外でタバコを吸うなと言われ、
1人旅の女性には切符は売れない規則らしい。
さらに、女はチャドルを着ないと病院に入れないと言われ、夜道を1人で歩いているだけで娼婦と決めつける警察。
その他にも、子供を堕ろそうとするが堕ろせない母親や、娘を捨てようとする母親まで…

一連の物語の中に確か過ぎるメッセージ性が詰め込まれているだけでなく、オシャレな部分もさらっと入れてくるのがイランの監督でよく見かける手法。
冒頭とラストを上手くリンクさせる感じの構造が洒落てました。

今作はヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞。
でも、イランでは上映禁止。
国際的に最優秀賞を取った作品が自国では上映禁止って、とんでもない現象💧
けっこう時間経ってるけど、今も上映禁止なのかな…😅

このレビューはネタバレを含みます

イランという国で女性が生きる上での理不尽さ、不便さが題材。

鉄扉を隔て交わされる会話で始まる。

最も祝福される出産という出来事の割に不穏な空気が漂う。

女の子は望まれていない訳だが、生まれた瞬間から疎まれるとは酷過ぎる。

ところで、この場面、最後と構図が同じ。

これで分かるのは、冒頭の女たちがいる所、

待合室や廊下(=世間)は、留置場(=囚われの身)と同じということ。

自由に行動したくとも、この後の展開通り、

一々制約や制限がある。

最初の鉄扉は白、締め括りが黒、というのも何か言いたげだ。

この作品の大きな特徴の構成。

5つの女の物語を見ていくが、一つが終わらぬ内に、カメラは別の女を追う。

リレーの様でもあり、オムニバスを一本に繋げた様でもある。

相当際どい社会派でありながら、この構成の面白さで重くなり過ぎないのが上手い。
CCC

CCCの感想・評価

3.9
パナヒ監督。
もちろんイランでは上映禁止。

辛いなぁ。
イランでの女性たちの当たり前の生き辛さが当たり前に描かれる。何をするにも女性じゃダメ、許可証なきゃダメ。ダメ、と言われてもほとんど理由はなく、ダメだからダメ。そして、女性という理由で、満足な教育や情報が得られないからこそ、愚かな思考で愚かな行為もしてしまう。そこも辛い。理不尽すぎる。
初ジャファル・パナヒ監督☆

イランの監督さんです🇮🇷
元はアッバス・キアロスタミ作品の助監督さんだったんですね。

この作品、本国イランでは上映禁止だとか。
だけど世界30カ国で絶賛され、ヴェネチィア国際映画祭では金獅子賞を受賞。
現代イラン社会で女性がひとりで生きていくのがどんなに厳しいかを描いた作品です。

イラン映画を観始めて数ヶ月。
最初は、子供たちが一生懸命に生きる姿を描いたほっこり系ばかりだったのが、戦争とか女性差別とか。
だんだん、しんどい系になってきました。

これが本当のイランの姿なんですね。


産まれた赤ちゃんが女の子だと知らされた時、皆の顔がいっせいに曇る。
母親は「娘が離縁されてしまう」と嘆く。

張り裂けそうな思いをしながらも小さな娘を置き去りにする母親がいたり。

先行きどう乗り越えて行くんだろ…
最後まで見守りたいのに、苦境に立たされた女性たちが次から次へと現れる。

私も女性だから、彼女たちの身になって考えてみると目の前が真っ暗になってしまう。

最後耳を疑いました。
子供産んだばかりの女性が何故…。


金獅子賞獲ったからって、世界中の多くの人が絶賛した作品だからって。
イラン国内で上映禁止なんじゃぁ意味ないですよね〜(´Д` )
深いため息が出てしまうしんどい映画だ。

街を埋め尽くしている男たちの服装は、世界のどこの街とも変わらない自由でラフなカジュアルスタイルなのに、圧倒的に少ししかいない女性たちは真っ黒いチャドルで顔以外を被っている異様。もうそれだけで女性として生まれてきたことが罰であるかのような視覚的印象を受ける。

この映画から20年、イランの女性は変わったのだろうか?フェミニズムはイスラム世界での女性の境遇をどう見ているのかと、初めて自分の中で問題設定出来た。遅すぎ…。
犬

犬の感想・評価

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イランの政治情勢について色々思うことはあるものの、何が一番ヤバイかってヴェネチアで金獅子賞を獲ったのにイランでは上映禁止されたこと。まあ、これがキッカケで政治運動が起きることも有り得るし政府としては固い決断だろうけど、そもそも改正されないことが闇深い。
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