チャドルと生きるの作品情報・感想・評価

「チャドルと生きる」に投稿された感想・評価

追い詰められ、ギリギリのところで持ちこたえている女性たちの群像劇。イランの女性が社会的に抑圧された状況がリアルに伝わる。安定しないカメラや、アップとバストショットの多用、テヘランのごちゃごちゃした白茶けた町が映されて、さながらドキュメンタリーのよう。彼女らの緊迫感・悲壮感に胸が痛くなる。

暗くて重くてやるせないし、映像が芸術的という訳でもないのだけれど、他のどんな作品とも似ていない、インパクトのある作品だった。観てよかった。スコアは何を基準にするかでかなりブレるな〜

イスラム圏の女性たちに明るい未来はあるのか?と、どんよりと考えてしまった。
女性の苦難の堂々巡り…。
まさに"円"でした。

女性というだけで、些細なことさえ許されない。
結局ゴラミさんはどんな馬鹿げた罪で
逮捕されてしまったのだろう…。
そう想像すると、むなしさを覚えるくらいでした。

どんな制裁を受けようとも、
パナヒ監督には映画を撮り続けてほしいです。
世界の映画ファンが味方です!
ものすごい気分にさせられる映画だった。チャドルとは、イランの女性が外出するときに身につける、体をすっぽり隠すための真っ黒の布のことだそう。冒頭、分娩室の小窓から、看護婦さんが顔を覗かせ、ソルマズ・ゴラミの付き添いの方、おめでとうございます、女の子ですよ。すると妊婦の母にあたる婆さんが、間違いでは? 超音波検査では男の子だ、男でないと困る、娘が役立たずだと離縁されてしまう…これでは大変だ、と嘆く象徴的なシーンから始まり、たまたま彼女がすれちがう全然つながりのない女たちのエピソードに移行。今度は、何らかの罪で服役していたが、刑務所から逃げてきた女たちのエピソードが展開…何の罪でつかまってたのかも全然分からないまま、田舎の故郷へバスで向かおうとする女が、身分証も外出許可証も学生証もお金もないから、バスチケットがなかなか手に入らない様子が描かれ、そうこうしてたら、またすれ違った別の女のエピソードに移行。次は何やらつわりで苦しんでる女が、町中誰かを探してるシーンが展開…という具合に、リレー形式で、ある1日に女たちに起こるエピソードを繋いでいく。あと、出て来るのは、自分の娘を捨てようとして嘆いている女と、気丈そうな売春婦。何にもバックグラウンドが明かされないまま淡々と進んでいくので、特に前半は、何が起こってるのか、何がテーマなのか、非常にわかりづらいんやけど、だんだんだんだん分かってくる。女性にとってイランで生きることがどれほどつらいか。女性がどれほど抑圧された生活を送っているか。そして、それとは対照的に、男性は自由に街を行き交い、第2第3の妻をもらい、多少の罪を犯しても頼み込んだら見逃してもらえたり。その歴然たる差に、気分がどんどん重くなってくる。ほんまにひどいことだ…と思いながら、同時に、巧みなストーリー展開に魅了もされる。そして、最後に、冒頭と同じく、ソルマズ・ゴラミと小窓が登場し、ひとつのストーリーの環が完成する。その環は、明るいはずの出産の知らせから、どこにいたったか。それが2000年当時のイランを生きた女性の厳しい人生を物語っているようだった。ちなみに、2009年に公開された別のイラン映画、別離を考えると、女性の立ち位置が大きく変化しているのに驚かされる。年々女性の社会進出が増えているというのを耳にしたことはあったが、約10年の間で、ここまで変化したのかと、びっくり。これ見てると、日本の女性差別問題は、表面化していないだけで、女性にすら簡単には気づかれないまま、根深く存在し、しかももっともっと大変にややこしいことになってるなーと思った。ほんとに大変な国だ。短いので返却するまでにもう一回見るのもアリかも。
smmt705

smmt705の感想・評価

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女として産まれ、女として生きる事への不安。さまざまな女性に受け継がれていく不安の先が最初のシーンと繋がり、八方塞がりで、ずっと息をするのが苦しい。苦しいと言わずしても伝わりすぎるその表情から、目が離せなかった
324

324の感想・評価

4.3
全編に漂う不穏さと緊迫感。引きずり込まれるドライブ感。ロケーションの選択がいいし、活かし方が上手い。

イラン映画特有の苛立つ冗長な会話と犯罪映画的なスリル。何が罪で何が本当なのか。衝撃。
Tyga

Tygaの感想・評価

3.1
冒頭の出産シーンを音声だけで済ませないといけないのが、今のイランの状況をあらわしていると感じた。

それでも、パナヒの映画が絶望よりも希望を写しているように感じるのは、男性にも優しさが垣間見えるから。
h

hの感想・評価

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つまらなかった。ファーストショットが映画全体を象徴している、というわかりやすい事例なので、これから見る人はそこだけ見て残りも見るか判断すればよい。
キアロスタミ追悼の一環として再鑑賞。

舞台となっているテヘラン以外にも世界中にはまだまだ男尊女卑的社会が数多く存在しているようです。
原題は勿論、邦題も抜群にいい。

パナヒとマジディがいればイラン映画は安泰だと再確認。
MSTY

MSTYの感想・評価

4.5
何人かの女性を主人公とし、場面場面で主人公をバトンタッチしていくオムニバス形式のイラン映画。

女性に対して抑圧的な社会を描いており、映像には緊迫感があります。バトンを繋げるように主人公が入れ替わっていくという演出が、社会の中に潜んでいる問題をうまく掬いだしていて、胸にすごく響いてきました。
Yuya

Yuyaの感想・評価

3.3
これはとてもとても遠くて 女性の地位がとてもとても低い国のお話…
その国や地域じゃ 女性は働く事もできない 離婚もできない 自由という基本的人権さえ与えられていないも同然だ
そんな現実が ただひたすら冷静で残酷に映され続けていた

全っ然 他人事じゃない
いや 他人事にしちゃいけないんだろう
国の問題でなく 女性だけの問題でもない
社会的弱者は あらゆる場所 あらゆる価値観で この瞬間も切り捨てられていく
せっかくこのような映画を昔に観たのに つい最近難民のニュースを見るまで そんな事を忘れたまま生きている自分は無力なもので
過酷な現実の中を懸命に生きる チャドルに隠された美しい素顔を見習えたらな
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