上海十月

馬鹿まるだしの上海十月のレビュー・感想・評価

馬鹿まるだし(1964年製作の映画)
4.5
明かに「無法松の一生」へのオマージュだが、オリジナルを超えて山田洋次の世界を作り出している。必死に真面目にやっているが世間から疎んじられる人々を描く。この必死で真面目がないと喜劇にならないことを山田洋次は、実体験と知っているのだろう。ラスト近くのダイナマイトを持った脱獄囚に立ち向かいに行くときに、夏子から「バカね」と言われ、ダイナマイトが爆発しながらスローモーションで安五郎が吹っ飛ぶの見ながら、観客もバカだなーと目頭を熱くする、そんな喜劇。昔は、こういった喜劇が多かったかもしれないが、こういった作品は、もう見れない。全編通じて植木等が人事にいうナレーションが安五郎の一生懸命と正反対でおかしい。
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