人気子役として家族を支えていた自負があったジェーンは大人になると落ちぶれ、人気俳優となった姉のバーターで仕事を貰うことに屈辱を感じていた
自動車事故で車いす生活となった姉の優位に立つと虐待がエスカレートしていく
白塗りの顔、少女のようにクリクリの巻き髪に可愛らしいワンピース姿で演じる狂気のお芝居が怖ろしい
監禁状態は何とでもなりそうにゆるくて、効果音もなんか面白いので途中まではゆるサイコホラーと思って観てた
でも実は何層にも愛憎が折り重なるとても哀しい物語でした
ジェーンが自分のことをまだ人気俳優だと思い込んでいる言動に対する周りのリアクションや映画界への復帰を疑わずお金もないのにピアノ伴奏者を雇ったりするのは憐れで胸が痛みます
家を飛び出した後、あんなに大勢の人がいるのに誰も二人に気づかないところやベイビージェーンに戻って砂遊びしてるところはかなり怖い
そして真相がわかった後のジェーンの怒るでも悲しむでもない、冒頭と対照になっている行動がとても切ないのです
お互いに憎しみ合いながらもお互いに負い目があり、家族としての愛もあって離れることができない姉妹の業のようなものが描かれていました
最後は気持ちを吐き出せた姉も安らかになり、舞台の夢を見れたジェーンも幸せそうでした
滑稽で哀しいけど美しいラストシーンでした