あの超有名な二つのセリフだけは知っていたけど原作は読んだことない作品でした
主人公ムルソーは生きることに倦怠しているようだった
ママンが死んでも涙を流さないし祈りもしない
恋人に「愛してる?」と聞かれても「愛してない」と応える
昇進にも無関心、野心は無意味だと言う
ムルソーは信仰心がないし他人の目も気にしない
自分に起こった出来事もどこか他人事みたいに思っている
発砲の理由を聞かれても「太陽のせい」としか答えられない
彼はつくづくこの世間から浮いている
でもキリスト教世界の外から見ると検察官や証人の方がよっぽどおかしなことを言っているように思える
キリスト教徒ではない私はムルソーに同情してしまう
彼らにとっての異邦人は社会から抹殺せねばならない
この世界に倦怠しているムルソーは裁判の結果を受け入れてしまう
クライマックスは司祭とのやりとり
ムルソーが初めて感情を顕にしたところだ
「私は自分に自信を持っている
確信を持てることことだけが真実だ
神やほかの人間のことなどどうでもいい」と激昂する
この後ムルソーの心は解放される
皮肉にも死を前に幸福だとさえ思っていた
最後まで自分の心に従って生きたムルソーはとても気高い人なんじゃないかと思う
原作を読んでから観たら良かったと少し後悔したけどこれから読んでみようかな