マヒロ

何がジェーンに起ったか?のマヒロのレビュー・感想・評価

何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)
4.0
かつて子役として「ベイビー・ジェーン」として名を馳せた妹と、その後演技派女優として売れっ子になったが不慮の事故で半身不随となってしまった姉の、憎悪にまみれたドス黒い共同生活のお話。

かつての栄光を忘れられずに、歳も考えずにドギツイ化粧とフリフリの服で着飾る妹の狂気はまさしく『サンセット大通り』のような恐怖だし、それに輪をかけて姉妹の諍いまで巻き起こるので、映画内に渦巻く雰囲気の不穏さは最早ホラーレベル。
タイトル通り「何がジェーンに起こった」のかは終盤まで明らかにされないけど、そんなサスペンスも忘れさせるくらいの嫌〜な演出の数々で、心底ぐったりさせられる。
いびられ続ける姉が実は…というオチも上手い。

アルドリッチ監督は男だらけの映画を得意とする人かと思っていたんだけど、女同士の戦いを描くにあたっても全く引けをとらない熱量たっぷりの強烈な映画だった。

(2016.179)
マヒロ

マヒロ