takanoひねもすのたり

ヒミズのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

ヒミズ(2011年製作の映画)
3.6
古谷実の同名漫画が原作。
未読。

両親から「お前、要らなかったんだよ」と言われ続け日常的に殴られる中学生・住田裕一。
両親から「早く死ね」と言われ続ける中学生・茶沢景子。
どちらも両親から生まなきゃ良かったと言われ虐待されるふたり。

震災時の映像は石巻市のもので、知人と親族が住んでいた。
正直いま観ても大分辛い。

日常的に暴力を振るわれ、殴られ、打たれている子供たち。
生活も苦しく、その中で精一杯『普通の立派な大人になる』ことだけを考えてきたのに、それすらできなくなった時の絶望の深さ。

染谷将太さんの死んだ表情、悔しいときや苦しいときに浮かべる涙、どん底の気持ちで帰ってきた時に皆に囲まれて少しだけ微笑むところ、ひとつひとつの表情が痛々しくふと心が折れそうになる硬い表情、繊細(監督は俳優さんを追い込んで演技を引き出すタイプらしい)

先生の説教が本気でウザい。

二階堂ふみさんが演じる茶沢さん、時々びっくりするくらいの繊細な表情浮かべてたり。

あとは、やっぱりこういう役柄だとハマるなあという窪塚洋介さん。

文学的な目配せはいつもの監督か。

それにしても観ててメンタル的にキツいシーンにAdagio for Stringsを流すの反則っす……。
おーん。