原作未読だが、川端康成らしく、とにかくメイン・キャラクターたちの人間性が徹底的に美しい。てか、美しすぎる。おそらく、一部のエピソードを端折らざるを得なかったぶん、クリスタル度が原作以上に増してしまったのではないかと推察される。だが、そうした美しい心根に、原作が発表された53年には派手に存在していたであろう貧困、および、富める者と貧しい者の断絶といった社会問題が襲いかかることで、ストレスがかかり悲劇が生まれる。そこいらへんのダーク・サイドをもっとガッツリ描いてくれても良かったとは思うが（そうしないとろが衣笠貞之助監督なのかもしれないが）、映像作品としては全く飽きることはない。

それにしても、有馬稲子と山本富士子が美しい。こんな美女２人に惚れられるとは、役の上とはいえ羨ましすぎるぞ根上淳。やはり医学部を受験するに越したことは無い。

大映、モノクロ、恋愛もの
監督、衣笠貞之助
出演者
根上淳、有馬稲子、山本富士子
見明凡太朗、長谷部健、川上康子、品川隆二、細川ちか子
丸山修、多々良純、町田博子、木匠マユリ、杉田康

【内容】
すれ違い系？清貧恋愛もの

・ストーリー
有馬稲子は両親がなく幼い弟とバラックで貧乏暮らしをしている(近所に木匠マユリが住んでる)

根上淳(山本富士子も)は研修医で、有馬稲子の弟が溺れていたのを助けたことから知り合う

初対面からなんとなく有馬稲子が好きだった根上淳は弟の病気の治療を通して愛を確信(なお弟はあっさり死亡)
バラックが取り壊され行くあてがなくなった有馬稲子が押しかけ女房して来たことで2人は両想いになる

しかし幸せだったのもつかのま(一晩泊めただけ)、不幸パートへ、、、

・ネタバレ
根上淳は敷かれたレールを捨てて貧しい人のための医者になろうとする
有馬稲子は色々あって頭がおかしくなるも、山本富士子に発見されて根上淳が治療をする
治療が成功し目が覚めたら有馬稲子と根上淳が寄り添いあうハッピーエンド

【感想】
タイトル的に
なんとなくほのぼの、感動系かと思いきや違った
なんか辛気臭いメロドラマしてて面白くなかった

・DVD
DVDの裏も表も根上淳&山本富士子の大映コンビ
でも主演はほぼ有馬稲子な映画だったりする
有馬稲子の珍しい大映出演作なのに扱い酷いw

・出演者
有馬稲子、山本富士子を差し置いてなんと根上淳がクレジットトップ
トップだけあって女の子からモテモテな罪な男してた

川上康子は根上淳を取り合う女の1人として出演
目が大きくて可愛かった、野添ひとみ系の可愛らしさ

品川隆二は殺される役で出演
有馬稲子といい感じになるのかと思いきや殺されるために出て来たw

木匠マユリは近所の人&ダンサー役
こちらも大映作品の出演がレアな気がする
前から思ってたけど顔立ちや声が高峰秀子っぽい

１０/１６＠ラピュタ阿佐ヶ谷

３人の女性に想われるインターン生（根上淳）。山本富士子と同期(！)にはちょっと見えない＾＾；

劇中３度ほど瞳が綺麗だと称される有馬稲子👁
冒頭、根上淳に救助された弟が結局肺炎で亡くなるってあまりにあんまりでは...

鍵もついていない部屋の引き出しに預かった現金をしまい込むのは実に浅はか😭

この当時の映画にちょくちょく描写されるけど、いとこ同士の結婚て珍しくなかったのかなー。