青二歳

時空の旅人の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

時空の旅人(1986年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

眉村卓原作のSF小説をアニメ化。アニメ化に際しキャラクターデザインを萩尾望都が担う。作画が丁寧で萩尾望都の細い線をうまくセルアニメに落とし込んでいます。それだけでかなり満足度高しです。
東京大空襲のくだり、神社が燃えるのは見ててツラいですね。アニメだとわかっていても、とても悲しい気持ちになります。

タイムスリップもので、第二次世界大戦の東京大空襲、戦国時代といろんな時代に落ちてしまうんですが…もうSFで戦国時代は禁止にしよう。アカン…関ヶ原の合戦に本能寺の変に…もう何が何だか。黒装束の忍者が時空を超えてきた未来人とか…
実はその歴史巡りは枕に過ぎなくて、未来世界のユートピア設定がとても面白い。SFの古典的な設定であるものの、"思想統制されたユートピア"が中々素晴らしい世界観なのに…もう少しその未来の方を詳しく描いて欲しかった。
冷戦時代ならではの歴史観だし、戦国時代やロマンスを削ってもっと後半に力をいれてもらえれば、きっとよりエグいSFアニメの名作になってくれたと思う。
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