かの三島由紀夫をして フランコ・ゼフレッツィ「ロミオとジュリエット」
「シェークスピア作品となればどんな名高い作品でもアクビを禁じ得ない不謹慎な私であるがこのフランコ・ゼフレッリ作品だけは最後まで息を吞んで観た」
と言わしめたそうです。
オリビア・ハッセー主演の映画。
1968年作品ですから私が一歳の時。古いです。
聞けば誰もが覚えありそうなニーノ・ロータの曲だけは知ってましたが作品そのものは初見です。
なるほど。想像していた以上の活劇でした。
剣劇もアクロバティックだし何よりロミオとジュリエットが吐くこれでもか、と出てくる歯の浮くようなセリフに「言葉の攻防戦」を感じました。
北野武の「アウトレイジ」ではヤクザ言葉の罵り合いが堪らなく面白いですがそこに通じる魅力です。
「純愛」もので涙する感性など当然残ってるわけありませんから退屈なら途中で観るのを止めるつもりでしたが結局最後まで観てしまいました。
三島由紀夫が魅せられたのはこの躍動感だったかもしれません。