OASIS

気まぐれな唇のOASISのレビュー・感想・評価

気まぐれな唇(2002年製作の映画)
3.3
出演した映画が興行的に失敗した俳優ギョンスが、先輩の元を訪ねて女性と出会うという話。

一人ホン・サンス祭り九本目。
なかなか激しいベッドシーンが2回程あるが、どちらも違う女性とのもの。

一人の女性は先輩に紹介されたダンサーで、実は先輩がその彼女に思いを寄せていたのだが、ギョンスは彼女と一夜限りの関係を持ってしまう。
ダンサーの女性もいきなり「仲良くなる為キスでもする?」と誘惑するし、それに応じてしまう主人公もまぁまぁのダメ男で、どちらも後先考えていないタイプではある。
しかしその二人だけの話で終わる事は無く、未練も残しつつあっさりと別れてしまう。

もう一人はソニョンという夫持ちの女性で、列車内で出会い別れるはずだったが、主人公はそのまま家まで着いていくというストーカーぶりで困らせる。
夫が居るとギョンスが知るのは体を重ねた後であり、何故先に言わないのか!?と思う所でもあるし、それを知った後でもなお彼女を追い続けるギョンスの姿には情けないというよりも恐怖を感じる。

占いによって悪い運勢が出たからといって簡単に諦めてしまうようなギョンスもどうなんだろうかと思うし、これまで観たホン・サンス作品の中では一番感情の流れが分かりにくいタイプのモノだと感じた。

「私の中のあなた、あなたの中の私!」という言葉が何回か出てくるが、それが何を意味しているのかは分からなかった。
男女に関わらず誰しも浮ついた心は持っているよという事なんだろうと思うけど、それでは余りに薄過ぎるし・・・。
映画としても面白さは見出せなかったかなぁ。
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