ファティ・アキン監督の「愛、死、悪に関する三部作」の2作目。テーマは「死」。
3組、6人の親子がドイツとトルコのふたつの国にまたがって交差する。
脚本、編集、キャスティング、ラストの余韻。素晴らしかった。
・ドイツ、ブレーメンでひとり暮らしのトルコ系移民アリ(父)とハンブルクに住む大学教授ネジャット(息子)。
・ブレーメンで娼婦をしているトルコ人女性イェテル(母)と消息不明のトルコの反政府活動家のアイテン(娘)。
・ハンブルクに住むドイツ人のスザンネ(母)と大学生ロッテ(娘)。
イェテルとアリ、アイテンとロッテの出会いを軸に交錯する6人。そして6人のうち2人が亡くなってしまう。
死の悲しみを超えて人がつながる力。
原題『Auf der anderen Seite ≒ 向こう側で』黒海によって隔てられたドイツとトルコという二つの国を表しているのかな?
英題『The Edge of Heaven ≒ 天国の縁』3章に分かれる本作の3章のタイトルでもあります。意味深い素敵なフレーズ。
カンヌ国際映画祭: 脚本賞
ヨーロッパ映画賞: 脚本賞
ドイツ映画賞: 作品賞・監督賞・脚本賞・編集賞
全米映画批評家協会賞: 助演女優賞受賞(スザンネ役 ハンナ・シグラ)
※「愛、死、悪に関する三部作」
・愛より強く(2004)
・そして、私たちは愛に帰る(2007)
・消えた声が、その名を呼ぶ。(2014)