そして、私たちは愛に帰るの作品情報・感想・評価・動画配信

「そして、私たちは愛に帰る」に投稿された感想・評価

norisuke

norisukeの感想・評価

5.0
ドイツとトルコを舞台に3組の親子の人生が錯綜する。

鍵となっているのがイスラム教の祭典の一つである犠牲祭。神の命令に従い、愛する息子を生贄に捧げようと、心を痛めながら山を登る父親の信仰を認めて、神が息子の代わりに生贄にするための羊を山に遣わしたことを覚えた祭典。この父親の話は、必ずしも祭典としては祝わないが、アブラハムの宗教と呼ばれる、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が共有する「物語」(と、呼ぶかどうかは議論があるとして。。)。キリスト教の教会学校では、必ず習う有名な話であり、「主の山には備えがある」という聖句は、多くの人の愛唱聖句である。

図らずも異国で命を落としてしまうトルコ人の母と、ドイツ人の娘。二つの棺が飛行機で行き交う映像が印象的である。

愛する娘の死と向き合おうとするドイツ人の母と、母の死を知らないが自分のせいで愛する友人を失ったトルコ人の娘が、深い悲しみから再生しようとする。二組の母娘と数奇な縁で関わった、トルコ系ドイツ移民の息子も、父との確執を乗り越えようとする。この傷ついた者たちに呼びさまされた深い愛情こそが、主が山に備えてくださった羊ではないだろうか。

原題は、「The Edge of Heaven」。

秀逸な作品。しかし、鑑賞直後はどう受け止めてよいのかとまどい、翌日になってぐわぁーーーといろいろな思いが込み上げてきた。

アキン監督の新作公開と併せて、イメージフォーラムさんで1週間のみの再映。観れてよかったーー!
えりみ

えりみの感想・評価

4.0
WOWOW録画。
ドイツに移民したトルコ人夫婦の元に生まれた監督さん
「屋根裏の殺人鬼フリッツホンカ」の監督さん
不適切な文言があると事前告知テロップ有り
〜誰それの死〜
ていうタイトルの3章仕立て💀
娼婦と暮らす😨云う父と大学講師の息子、
その娼婦の母と反政府活動家の娘、
その反政府活動家の友人を救うため奔走する娘と娘の身を案ずる母。
微妙に交錯しすれ違う3組の親子の物語😢
邦題がぴったりな物語😌


30分50€の娼婦にハマったアリ爺さん🇩🇪
結構な年増やけど😅
月に三千€稼ぎ出すイェテル
イェテルの娘を探しに行ったイスタンブールで本屋のオーナーになるアリの息子🇹🇷
猫のいる本屋😺
イェテルの娘アイテンが母を探し(兼逃亡)にブレーメンへ🇩🇪
親切な金髪クリクリ女子ロッテが宿無しアイテンを実家に泊めてくれた
知らん外国人と朝帰りしたらオカンもエエ顔せんわな😑
『トルコもEUに加盟すればいいじゃない🚬』
トルコへ強制退去、収監されるアイテンを追いかけるロッテ🇹🇷
オカンは激怒😠さじ投げた
しかし悲劇は続く😣


沖に釣りに出てる父アリを待つ息子の背中を見ながらfin.🔚
エンドロールは波音だけ…と思ったらトルコ音楽ぽいのが歌詞つきで♫

数日したら皆が出会って一件落着😌てコトになるんやろうか🤔
なって欲しい🙏
pomzo

pomzoの感想・評価

3.7
ドイツとイスタンブールを舞台にした話
生き方も環境も違うある家族の奇跡的な出逢い
しかし、ご都合主義にタイミング良く逢いたい人に会える訳では決して無く
ちょっとしたすれ違いがリアルに感じてしまう

それぞれ登場人物が憎んでもおかしくない相手を許して受け入れようと決意した時、哀しみが薄れ優しい表情になっていく
ラストの描き方もとても良かった
あんず

あんずの感想・評価

3.8
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

新年1本目は、録画していた作品からあまり考えずにチョイスしてしまったら、かなり重かった。

2007年の作品なのに、子どもの頃に観た洋画のフィルムの色合いに似ているような気がして懐かしかった。洋画を観ているという気分に浸れた。

ドイツとトルコを舞台に偶然の出会いから人生が思いもよらぬ方向に変わって行く3つの家族のお話。偶然というと、先日観た『偶然と想像』を思い出すが、あちらはライトでこちらはヘビーな感じ。偶然の出会いから命を落としたり、殺人犯(やその家族)となってしまったり、政治的な活動をすることになったり……

改めて考えると、人生において、特に人との出会いは偶然による所がほとんどだと思った。自分が出会いたいと思って出会えた人なんて、なかなかいない。生まれて来る家なんて選びようもなく、偶然クラスや部活が同じになった子と友達になり、合コンは意図的だけど偶然そこに来た人と付き合い……究極的には、人間としてこの時代に生まれて来たことも偶然という名の奇跡だ。そう、偶然と奇跡は、後にどう受け取るかによって決まる紙一重なものなのかもしれない。

トルコ人の父親の女性に対する態度が気持ち悪くて最低で、新年早々げんなりしたけれど、そんな父親だって息子に対する愛情は深い。ドイツ人とトルコ人の母親が出て来るが、どちらも娘に対する愛情が深くて、その深さゆえに悲劇に向かってしまう部分もあったけれど、「罪を憎んで人を憎まず」とはこういうことを言うのかなと感動させられるラスト。

人を許すというのは、頭で考えて理解出来るものではなく、感覚的に出来ることなのかもしれないなー。ラストの海のシーンにかけて言うなら「海容」という言葉がこの映画のテーマとして当てはまるかもしれない。
ドイツとトルコを舞台に
ひと組の父と息子と
二組の母と娘の
複雑な絡み合いが描かれる。

そんな中で
二人の命が失われるが
残された者が
どう受け入れ
どう赦すのか。

ラストシーンの海
静かに打ち寄せる波が
赦す事で自分が救われる
とでも教えてくれているようだ。
Shiz

Shizの感想・評価

3.7
Auf der anderen Seite

The Edge of Heaven

Yaşamın Kıyısında
亘

亘の感想・評価

3.9
【愛と死がつなぐ人々】
ドイツ、ブレーメン。トルコ人の娼婦イェテルはある日同郷のトルコ人の客アリから同居の提案をされる。しかしその後事故から彼女は亡くなってしまう。アリの息子は彼女の故郷へ向かう一方彼女の娘アイテンは、母親探しにドイツへとやってくる。

ドイツとトルコという距離の離れた2国間で愛する者の死から始まる数奇で壮大なすれ違いを描いた作品。本作の3つのチャプターはすべて死を予感させるもので、人々のすれ違いを描き続けるのではあるが邦題の通り最後は愛で落ち合うのが印象的。

ドイツとトルコは距離が離れているものの、1960年代にドイツが外国人労働者受け入れでトルコ人労働者を置く受け入れたことから、多くのトルコ系移民がドイツに暮らしている。ファティ・アキン監督自身トルコ系ドイツ人だからこそこうしたトルコとドイツを題材にした作品にしたのだろう。

[登場人物]
アリ:トルコ人男性。ドイツ在住。
ネジャド:アリの息子。ドイツの大学教授。
イェテル:トルコ人娼婦。ドイツ在住。
アイテン:イェテルの娘。トルコからドイツへ向かう。
ロッテ:ドイツ人大学生。アイテンと仲良くなる。
スザンネ:ロッテの母。

本作は3つのチャプターに分かれる。
[1.イェテルの死]
ブレーメンで娼婦として働くトルコ系移民イェテルは、トルコ人の客アリに報酬と引き換えに同居する提案を受ける。初めは気が進まなかったものの生活が苦しかったものの生活が苦しかったイェテルはその誘いを受け入れる。その後ドイツの大学で教授をするアリの息子ネジャドが帰省し3人で暮らすことになる。

しかし乱暴なアリは家でもイェテルを家政婦兼娼婦のような扱いをしていて、ネジャドがイェテルに寄り添う。そんなある日アリがイェテルをたたいたはずみでイェテルは頭を打ち死んでしまう。そしてアリは刑務所に、ネジャドはイェテルの故郷のトルコの町へと向かい家族はバラバラになるのだ。

壮大なすれ違いのきっかけとなるアリとイェテルの出会いのパート。ここで特に印象的なのはアリの乱暴さ。彼は行ってみれば品のないエロ親父で、アリを家事をしてセックスもさせてくれる都合の良い女性としかとらえていない。しかも息子ネジャドにまで「イェテルとヤったか」と聞く始末。その乱暴さがその後の悲劇を生むわけでもあるが、見終わってみればこの傲慢さが壮大な愛の物語の始まりというのも興味深い。

[2.ロッテの死]
反政府活動をするアイテンは、当局の目をかいくぐりドイツへ向かう。そこで「靴屋で働いている」という母を頼ろうと考える。しかし靴屋を回っても見つからず途方に暮れたときにドイツ人大学生ロッテと出会い彼女の家に居候する。そのうちロッテとアイテンは深い仲になるが、アイテンの不法入国が判明し難民申請に落ちるとアイテンはトルコへ行きロッテも彼女を救うべくトルコへ向かう。

トルコでロッテは偶然出会ったネジャドに部屋を借りながら、アイテンの援助をしようとするが、ある日子供の強盗に襲われて命を落としてしまう。

アイテンという伏線が生まれて話の平行と交わりが始まるパート。ドイツでも時折ロッテたちがネジャドやイェテルとニアミスする場面があるし、トルコでのネジャドとの遭遇はアイテンとイェテルがつながるかと期待しつつも、もどかしさを感じる。一方でロッテの死は唐突で衝撃的。

[3.天国のほとりで]
娘ロッテの足跡を追ってスザンネがトルコ入りするのと同じ日、アリは強制送還となってトルコへと帰ってくる。ここでスザンネはネジャドの家に下宿して娘が最後にいた土地を回り始める。ここで印象的なのはネジャドとスザンネが心を通わせること。ロッテの話から始まり、さらには犠牲祭からキリスト教とイスラム教の共通点を見つける。さらにはスザンネはアイテンに面会し彼女を赦すのだ。一方でネジャドは父が戻り暮らすというトラブゾンの町へ向かい父を待つのだった。

今作の人々が愛と赦しでまとまるパート。特にスザンネはそれまでアイテンをあまり好意的に思っていなかったので、アイテンの赦しは大きいと思う。そしてネジャドもアリを赦しに行く。この作品では最後まで見せられなかったけれども、おそらくは最後はネジャドとアリもスザンネとアイテンに合流するんじゃないかと思う。その時はアイテンがアリを赦す必要があるだろう。

ラストシーンで流される穏やかな黒海は、チャプター名であり本作の英題でもある「天国のほとり」を表しているようだった。この穏やかな海は、きっとロッテとイェテルという亡き2人について語らいながら4人が大きな愛に包まれることを表しているのかもしれない。

印象に残ったシーン:スザンネがネジャドと話すシーン。穏やかな黒海が流れるラストシーン。
マロン

マロンの感想・評価

3.5
イスタンブールとハンブルクを舞台にした人間味あふれる映画。

フィルム写真の色味で美しいノスタルジーを感じる質感です。構成が出来過ぎている様に感じるが、それゆえに分かりやすい人間関係。

このレビューはネタバレを含みます

親子の想いわ、生と死がいつやって来ても、繋がる。時間が経っても途切れることなく、想い追いかける。
みゅー

みゅーの感想・評価

3.5
ファティ・アキン監督の作品。
知らない監督だな…とか思っていたら、『女は二度決断する』、そしてなんと『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』の監督だった。特に後者にはびっくり。

本作はカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。
複数の家族が少しずつ繋がっていく構成が好き。
それぞれに文化や宗教といった背景があって、それらが複雑で、そしてそこに愛があって。
この邦題、私は好き。

路地裏のシーンの唐突さ、呆気なさは印象的だし衝撃的だし、頭の中でずっとその場面がぐるぐるしてる。

エンディングもまた印象に残った。


そして本作にて、Mark1500本に*॰ॱ✍
まだまだ観たい映画はたくさんあるし、時間が足りない!
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