こぅ

輪舞のこぅのレビュー・感想・評価

輪舞(1964年製作の映画)
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㊗︎廉価版Blu-ray発売記念レヴュー③/?

「彼女は死んだんだよ
本当?
そういう女は早死にする」*

アルトゥール・シュニッツラー原作(戯曲)、マックス監督、【輪舞】のリメイクで、ロジェ・バディム監督による、不貞な【ラヴコメ】。


第一次大戦前夜のパリ。
道行く男らに声を掛ける娼婦(マリー・デュボア)。
つかの間の愛を交わす兵士、ジョルジュ(クロード・ジロー)。
その兵士は、ダンス・ホールでメイド、ローズ(アンナ・カリーナ)と踊り、夜の庭で親密になる。
そのメイドは、勤め先の息子、アルフレッド(ジャン=クロード・ブリアリ)から誘惑される。
しかし彼の本命はリッチな人妻、ソフィー(ジェーン・フォンダ)。
その夫、アンリ(モーリス・ロネ)もまた奔放にレストランの「特別室」で少女(カトリーヌ・スパーク)をかどわかす。
その少女に声をかける詩人(ベルナール・ノエル)は、よりを戻した女優、マクシミリアン(フランシーヌ・ベルジェ)がいる。
その女優を誘惑する若い貴族の将校(ジャン・ソレル)。
そんな彼が目を覚ますとかたわらには冒頭の娼婦がいる。
男女の恋模様は巡り巡って1つのロンドとなす…。


★脚本/変更点
冒頭、
本家と比較して最初の2人のやり取りが先行き不安になったが、以後無問題だった。

ストーリーは、
基本、本家と一緒であるが、構成の変更は、狂言回しが登場しない。
狂言回しのフォロー/説教が無くなった事でファンタジーっぽさも失せ、リアル志向になった。
脚本がスムーズになり、観やすく。
尺は延びたが、その分、展開/出会いのディテールが補完されていたり、流れがスムーズになった印象で、何よりも台詞が洗練されたのが素晴らしい。

クライマックスの
娼婦と兵士の結末も変更されている。


ラストの
変更された女優キャスト振り返り(リスペクト)と締めも余韻を残して本家より好感。


★総評/演出/カメラ/キャスト
バックの景色に重ねた男女のシルエットが メリーゴーランド/ロンド に模したOPクレジットは、本家にポイントで出てきたメリーゴーランドのリスペクトであろう。

本家の撮影も良かったが、
やはり、【サムライ】などの名カメラマン、アンリ・ドカエ の撮影は観る価値がある。
長回し、アングル、シームレスな繋がりもオリジナルによってオマージュしている。

エロ(露出)も
時代変わってアップデートされ、OP見せは無いもののを揉むとか、ギリの露出度はアップ⤴︎
一番露出していたのは、フランシーヌで、次点は、ジェーン(監督嫁)。

女優陣は、
オール綺麗だが、カトリーヌ(19)がダントツ。

ロジェ監督の演出は、
上品と言ったら語弊ある内容だが、少なくとも仕上がりは下品では無い。

個人的に
脚本(台詞)が秀逸な成功した好リメイクと言えるし、本家より断然観やすい。
リピするなら間違いなく本作。


*オマ毛
ショートブラックジョーク
https://youtube.com/shorts/OLTxvG5XvJY?si=39PVP_N5uXKT3Yx6
こぅ

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