ユースケ

マイティ・ソーのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

マイティ・ソー(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「魔法とは未解明の科学」とアーサー・C・クラークの「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」っぽいセリフを天文物理学者ジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)に語らせ、「お前の先祖は魔法と呼び、お前らは科学と呼ぶ。俺は魔法と科学が等しい場所から来た。」と雷神ソー(クリス・ヘムズワース)に語らせ、北欧神話の世界と現実の世界を繋ぎ、自分の力を過信した男がその力を奪われ、無力な自分を知る事によって傲慢な自分を見つめ直し、強さの本当の意味を知った男の物語と兄を妬みながらも同時に憧れ、自分の出生の秘密を知り、愛されぬ悲しみゆえに道を踏み外した哀れな男の物語を描き、アメコミとシェイクスピアを繋いだMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)第4弾は、明らかに毛色の違う北欧神話の雷神ソーを違和感なくMCUにぶち込んだシェイクスピア俳優ケネス・ブラナー監督の手腕が炸裂した一本。

初鑑賞時にはそんなに面白い作品だとは思いませんでしたが、続編でキャラが立ちまくったブラコン・ツンデレ・小悪党のロキ(トム・ヒドルストン)を見てから鑑賞すると、笑いながらだまし討ちし、笑いながら分身し、優位に立ちながらも、一撃で粉砕され、ムジョルニアをお腹の上に乗せられて身動きできないクライマックスの兄弟喧嘩は爆笑必至。
雷神ソーをテイザーガンで気絶させたり、車で2回轢いて2回気絶させたり、北欧神話風の衣装をコスプレだとバカにさせたり、コメディ要素に注目すればもっと楽しめる作品だと思います。

とにかく、マッチョでセクシーな雷神ソーに対して、人工呼吸を懇願したり、筋肉を舐め回すように凝視したり、Facebookに投稿したり、ジェーン・フォスターの親友のダーシー・ルイス(カット・デニングス)のコメディリリーフっぷりは必見。ムジョルニアを「ムニョムニョ」と呼ぶシーンには萌え死にしそうになりました。

雷神ソーのいやらしい筋肉が躍動する芸術的なドロップキックやメタルな巨人デストロイヤーのデザインも要チェックです。