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ある公爵夫人の生涯のtakのレビュー・感想・評価

ある公爵夫人の生涯(2008年製作の映画)
3.1
 イギリス、スペンサー家に生まれたジョージアナは美しく気丈な女性。彼女は縁あってデヴォンシャー家に嫁ぐことになる。18世紀の当時は世継ぎをもうけることが何よりも重視されており、この結婚も例外ではなかった。結婚という契約の一条項でもあった。生まれた子供が女子だったことから、夫には冷たくされ、ジョージアナはこの結婚に次第に孤独感と不満を抱くようになる。友人のエリザベスの存在が彼女の救いとなったのだが、夫であるデヴォンシャー公爵と関係を持ってしまい・・・とまぁスキャンダラスなお話。この後彼女の恋人となるのが、後に英国首相となるチャールズ・グレイ。

 レイフ・ファインズ扮する夫デヴォンシャー公爵の身勝手さが観ていてとにかくムカつく。後継者である男子をもうけることにしか関心がなく、夫人に愛情をみせることはまったくない。しかし映画の最後には妻の手をとって優しい言葉かける。彼もきっと学んだのだろう。

 それにしても、出てくる人々はみんな当時の窮屈な貴族社会の犠牲者だと思った。自分の気持ちのままに生きられない悲しさを感じました。「マリー・アントワネット」もそうした悲しみが描かれていた。豪華な牢獄の中であるのは同じでも、この映画の方が愛憎劇が入り乱れているだけに昼ドラ的なドロドロ感がある。その分観ていて痛い。

 キーラ・ナイトレイ、コスチュームプレイが似合う綺麗な女優さんですな。お母様役のシャーロット・ランプリング、これまた怖い。
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