フェデリコ・フェリーニの出世作。
30歳にもなって定職につかず、家族に依存しながらフラフラと遊び歩いている五人の男たちのそれぞれの姿を描いている。
邦題の「青春群像」というのは、なかなか言い得て妙だとは思う。
しかし、仲のいい五人でワイワイやっているのはいいとして、家族に養われているくせに不満をこぼしながらもくすぶっているばかりの彼らには「いい歳なんだから働け」と思うばかり。
( 1953年公開作品なので、第二次世界大戦直後で仕事が少ないという社会事情をあらわしている面はあるのでしょうが。)
男のばか騒ぎやモラトリアムにイマイチ感情移入できなかったのは、私が女だからでしょうか。
男の人が見たら、共感することも多いのかも。
でも、このモラトリアムの映像が延々と続いたからこそ、五人の関係を変えるような兆しをみせる、ラストシーンは印象的ではあります。
荒削りですが、素朴そうで実は緻密にまとめあげることを得意としたフェリーニの萌芽という感じの作品でした。