おーたむ

コーヒー&シガレッツのおーたむのレビュー・感想・評価

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)
4.2
「パターソン」「ナイト・オン・ザ・プラネット」が大好きなので、ジム・ジャームッシュ監督の作品を。
いやぁ、いいですね。
ジャームッシュ節が全開です。

「ナイト・オン・ザ・プラネット」のようなオムニバス作品ですが、あちらが短編集だとすると、本作は掌編集。
一つ一つの話は、さらに短いです。
100分の中に収められた11本のエピソード全部が、登場人物がコーヒーと煙草を飲みながら駄弁ってるだけ…という、本当に他愛もない作品なんですが、これが面白いんだから、凄いですよね。
会話の内容に加え、間の取り方、演者の台詞回しや表情など、もろもろの要素を組合わせ、上質でさりげないユーモアを生み出すセンスは、さすがの一言。
コーヒー&シガレットという取り合わせや、モノクロの映像などが醸し出す、洒脱な雰囲気も、ステキです。
こんな作品を見たことがないということもあり、新鮮な気持ちで楽しめました。

まあ、あまりにも他愛ないため、「パターソン」のような広がりは感じません。
反面、同シチュエーションの別エピソードがこれだけ揃った作用か、なにやら空から世界を俯瞰しているような感覚にさせられて、不思議に心地よかったです。
この心地よさがあるから、ジャームッシュ監督はクセになっちゃうんですよね。
まるで、コーヒーやシガレットのような中毒性。
おーたむ

おーたむ